正月マルタに一週間弾丸留学してみた
そうわたしは、異文化への好奇心と憧れが非常に強いと自認しています。
1年以上海外で過ごしたり語学留学するチャンスをつかんだ人が、
羨ましいです。
とは言っても、わたしは10年前はプライドが高いくせにぐーたらだったので、
1年も留学しても、謙虚に学ぶことなくチャンスを棒に振っていたでしょう。
または早めに世の中の荒波に揉まれた方が良かったかもしれませんが...
社会人になるとなかなか纏まった時間が取れないわけですが、
年末年始のマルタ1週間限定の留学は非常に収穫が多いものとなりました。
遠い昔にも、カナダバンクーバーに3週間の語学留学をしたことがあるのですが、
短期留学は断然マルタの方が良いと思いました。
#メリット
① 日本人が少ない
短期で英語のシャワーを浴びるのであれば、絶対にこっちの方が流量が多いです。
物理的に遠いのか、わたしはマルタ滞在中にひとりも日本人に会いませんでした。
バンクーバーに行った時は、大学生の夏休みという事もあり、
どこもかしこも日本人だらけでした。
気づいたらグループに所属している感じになっていたのは割と苦い経験です。
良くないの話わかっていても抜けられない、という中学生の不良グループみたいな
悩みを抱え、三週間はあっという間に過ぎました。
② 多国籍
学校のクラスは、ブラジル人3名、ポーランド人1名、アゼルバイジャン人1名、
中国人1名という構成でした。
わたしは9つあるレベルのうち2番目に高いクラスでした。
南米や欧州の学生は上のクラスに19〜22歳の若者がいましたが、
アジア勢は皆アラサーで、アジア育ちが英語を習得するハードルが可視化されていました。
あと、ロシア系も多くいましたが、アジア勢と同じ配置の印象でした。
#わたしは誰?
日本人や日本への興味は、どの国の人も非常に高いもので驚きました。
24時間かけて辿り着いた、日本人の一人もいない語学学校で
みんな非常に日本のことをよく知っていたのです。
無印、ユニクロ、寿司、シブヤ、日本語は複雑で難しい...
こういうアイコニックなものたちを背景にしつつも、
こうやって海外にいて、さあ自分のことを語るという場面に出くわすと、
自分だけが切り取られているようで、心許ない気分になるものです。
海外生活では、もっと孤独な場面が幾度となく訪れて乗り越えることで、
少しずつ自己を強く認識できるようになるのだろうなと思いました。
#英語力以上にコミュニケーション力
英語のテストで判断されるレベルとは別に、コミュニケーション力という意味では、
とても他の学生から学ぶものがありました。
わたしは初めて、他の人の意見に聞き入ったり、沈黙を待ってしまったり、
考えすぎて意見を述べるタイミングを失うということを体験しました。
本当にみんな話を聞かないし、カットインするし、話すと止まらないのです。
そこには各々の良い面、悪い面があって、
自分に足りないものは、間違いなく自己肯定力、自己主張だと思いました。
また、同じ内容を説明するにしても英語のボキャブラリーが少なくても、
表情、熱意、ストーリー作りなど、相手の心に訴える話し方はまた別の能力だと実感しました。
③1週間しかない事で集中できる
色々体験したり、人と接する事に自然と貪欲になります。
あまり集団行動は得意ではないですが、学校主催のバスツアーに
あとで出てくるアゼルバイジャンの彼と一緒に参加しました。
そこでは、クラスの違うロシア人の女子2人組と話をしました。
#友人ができた
特に仲良くなったのは中国人の女の子Nで、2年もマルタに住んでいるそうでした。
個性的な子で、不思議なファッションセンスを持ち、思ったことを全て口に出すので、
少しツンとした先生は呆れ顔でした。
彼女と接近したのはアゼルバイジャンの彼に放課後デートに誘われようとしていた時でした。
「チー子は今日わたしとお茶するのよ。」と助けてくれたんだか、
急に思いついたかわかりませんが、救われました。(ちょっと衝動的な子なので..そこがかわいいんだけど)
一緒に歩いていると、予報にないのに豪雨が降ってきました。
すると、Nがちょっと遠いけどうちに来なよと誘ってきました。
わたしはフードを被り、彼女は傘もジャケットも持っていなかったので、
持っていた大きめのタオルを貸してあげました。
彼女はそれを農作業スタイルにほっかむり、一緒に雨の中15分くらい走りました。
Nの家は高台の上にあって本当に遠かったです。
「わたしの寮の方が近かったのに。言ってあげれば良かった。」
と思っていると新しいアパートの窓の前に立って、彼女が急に大きな声で「M! M!(名前)」
と呼び始めました。
少しして顔を出したのは、キノコカットで目が綺麗な男性でした。
MはNの彼氏で、若くして起業して在宅勤務している社長さんでした。
Nのほっかむりスタイルを見て、「連絡してくれたら、傘持って行ったのに...」と笑顔。
Mはわたしをヒーターの前の椅子に座らせてくれて、ハーブティーを入れてくれました。
そして二人は何やら相談しながら、仲良く料理を始めました。
わたしは料理している二人を眺めながら、Nがマルタにきた経緯や育った街の話など色々な話をしました。
2時間くらいかけて大量に作ってくれたのは、二人のフュージョン料理でした。
ブロッコリーやパプリカの揚げ物にヨーグルトソースをかけて、
ジャスミンライスと一緒に食べるものでした。
N&Mとの出会いは、とても心が温かくなりました。
今頃どうしているでしょうか...
計画通りNは語学学校を卒業し、二人でマルタを離れたとは聞きましたが、
またどこかで再会できるといいなと思います。
④素晴らしい海
遊びの計画を立てなくても、ツアーに参加しなくても、ひとりだったとしても、
あの地中海性の景色(サボテンと低木、白い土)と素晴らしい海辺があれば、
一日中散歩していられます。
毎日、朝日・夕日・夜景を見にウロウロと出かけていました。
もしまた行けるならば夏に行ってみたいですが、
冬で良かったのは、人が少ないことです。
それでもお店は開いているし、中心街は賑やかではあるのですが、
列に並んだり、写真に人の頭が写り込んでくるのを頑張って避ける必要がないのです。
癒されます。
長くなってしまいましたが、
とにかく、マルタに行ってみたら素晴らしい経験ができました。